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1 心不全診療ガイドライン

   ここは臨床に役立つ情報を提供していくページです。是非先生方でお互いに情報提供をして
   いただけますと幸いです (MMWIN事務局)

第1回目はつい先日発表された心不全ガイドラインです。 2018.5.2

1.急性・慢性心不全診療ガイドライン

1.急性・慢性心不全診療ガイドラインが改訂

 日本循環器学会/日本心不全学会は急性・慢性心不全診療ガイドラインを改訂し(2007)、2018年3月に公表しました。新ガイドライン改訂におけるポイントは以下の10個です。



2.心不全とそのリスクの進展ステージ

 心不全を非可逆的な疾患と捉え、ステージAは器質的心疾患のないリスクステージ、ステージBは器質的心疾患のあるリスクステージ、ステージCは心不全ステージ、ステージDは治療抵抗性心不全ステージとしています。治療目標として、ステージAは危険因子のコントロールと器質的心疾患の発症予防、Bでは器質的心疾患の進展予防と心不全の発症予防、CとDでは、症状コントロール、QOL改善、入院予防・死亡回避、緩和ケア、再入院予防、終末期ケアを治療目標としています。(下図)



 

3. 左室駆出率(LVEF)による心不全の分類


 LVEFにより、HFrEF (LVEF<40%未満)、HFmrEF(LVEF 40%以上50%未満)、HFpEF (LVEF 50%以上)の3群に分類しています。 更にLVEFが改善した心不全をHFpEF improved(LVEFが40%未満であったが治療により40%以上に改善)と定義しました。

4.心不全診断・治療のアルゴリズム


 心不全診断のフローチャートが作成されました。治療はステージCのHFrEFに対しACE阻害薬/ARB+β遮断薬+MRA、利尿薬を第1選択とし、必要に応じてジギタリス、血管拡張薬、ICD/CRT、運動療法を加えるとされました。
 HFmrEFについては十分なエビデンスが確立していないため個々の病態に応じて治療、 HFpEFについては、以前示されていたアルゴリズムは削除され、うっ血を改善するための利尿薬がクラスⅠとされ、併存症に対する治療を行うことが示されています。 ステージDでは治療薬の見直し、補助人工心臓、心臓移植、そして緩和ケアを状況に応じて行うことが明示されています。
 ESCなど海外のガイドライン推奨のARNI(sacubitril/バルサルタン)、ivabradine(Ifチャネル阻害薬)に関しては本邦も含め治験が進行中であり、将来日本のガイドラインにおいて推奨されるためにはエビデンスの蓄積が必要です。

(東北大学病院循環器内科 広報誌 HEART48号より改編させて頂きました。オリジナルはこちら